【霊学の勉強記録】「平和のための霊性」より人類の知的な進歩と道徳的な進歩の差を知る

ルドルフ・シュタイナー

まえがき

こんばんは、みことです。

ルドルフ・シュタイナーの本「平和のための霊性」におさめられている

講演録「われわれの生きる悪の時代の霊的背景(1917年9月30日)」の

第二講「知的進歩と道徳的進歩の矛盾」を読了しましたので

備忘録もかねて、まとめ、抜粋し、感想をお伝えしていこうと思います。

 

この記事で少しでも多くの方が霊学やシュタイナーに興味を持ち、本を手に取って下さるとうれしく思います。

「知的進歩と道徳的進歩の矛盾」まとめ

第一講のおさらい

地上での破壊的な出来事と人間の霊化とはお互いに関連性を持っている。

シュタイナーは、この真実を受け取ってもらうことで、我々がこの世を去った者たちとひとつの社会的な統一体をなしていると感じることができる、ということを伝えたかった。

人類の未来を破壊しようとする働きを唯一鎮められる力は霊的生命である。

 

人びとの謎・知的な進歩と道徳的な進歩の不一致

シュタイナーは言います。

人びとは現代に謎を感じている。感じてはいるが、その謎を深刻に受け止めるところにまでは至っていない。

謎の一つは人類の進歩の中に見え隠れする知的な進歩と道徳的な進歩の矛盾・不一致。

人間の知性は科学・学問を発達させた。あらゆる機械を開発した。同時に殺人道具も開発した。これからは化学食品を生産するだろう。でもそれは、自然食品と同じものと言っていいのか?等々…

近年だとAI問題にも置き換えられるのではないでしょうか。

知性、科学的な進歩はめざましく成長している。しかし人間の道徳はそれと同じように進歩しているのか?

もしも道徳が知性と同じように進歩していったとすれば、現在の世界破局は生じたでしょうか。

今進行しているのと同じ仕方で破局が生じたでしょうか。

まさに、人間の道徳的進歩が生じなかったからこそ、そして知性の進歩が反道徳的な在り方をするようになったからこそ、こんなにも多くの点で破壊が進んでしまったのです。    29p

 

謎が深刻に受け止められない理由

こういった謎が深く受け取られない理由。

こんにちの人間は、人間について何も教えられていないからだとシュタイナーは言います。人間の中で区別されるべき事柄が混ぜこぜになっていると。

こんにちの科学が対象としている人間は、肉体、エーテル体、アストラル体、自我からなる存在なのに、そのすべてが混ぜこぜになっています。

(略)

人間本性のこの4つの部分は宇宙のそれぞれまったく異なる領域に従って分けられ、宇宙のまったく異なる領域にそれぞれ結びついているのです。 29p

人間本性の4つの部分と宇宙の各領域の関連、睡眠中の人間、肉体について等の記述。

※気になる方は本をお取りください。ここでは省きます。

睡眠と知性の関係

人間の肉体とエーテル体は物質界の中で存在している。アストラル体と自我は睡眠時、霊界に入ってゆく。

霊界と物質界は、人間本性の中で結びつくことによってのみ、互いに働きかけあえる。

アストラル体に組み込まれている肉体部分「アストラル肉体」は睡眠中、水銀を流動体にしている作用力とよく似ている作用力を働かせている。

自我に組み込まれている肉体部分「自我的肉体」は睡眠中、塩のような作用力を働かせている。

人間は睡眠中、塩と水銀の働きに浸透されている。

朝、水銀化(生命化)され、塩化(鉱物化)された状態に自我とアストラル体が入ってきて、霊界で体験したものを浸透させる。

それによって、霊界で身につけたものが人間の中へ持ち込まれ、肉体という知的活動のための道具がさらに豊かになる。

さらに霊界からの影響も入ってくることで、知性の道具に霊界から作用を及ぼせ、知性は現代においてこれほど重要であることができるという。

睡眠は知性にとって、それどころか天才にとって、有効な働きをします。

このことは非常に重要な事実です。

天才もまた、自分の水銀成分と塩分とを浸透させる働きを睡眠から得ています。

35p

道徳について

しかし霊界は道徳法則は持っていない。まだ道徳的ではない世界。

人間は地上生活、人生によってのみ、道徳を身につけることができる。

人間の社会生活はすでに道徳性に浸透されている。このことを知ることは大きな意味を持つとシュタイナーは言う。

地上を生きる人間にとっての道徳生活の中心は「キリスト衝動」

シュタイナー曰く生きてる間にキリスト衝動に出会うことが生きる上で特別重要。

知っておきたいのは、睡眠中に叡智の力を受け取り、すばらしい機械を発明して、科学技術を進歩させたとしても、道徳は進歩しないということ。

われわれに出来ること

世界が陥っている混沌から抜け出すためには、真実と真剣に向き合い受け止めること。

こういった真実を人類にひろく根付かせることです。

霊的認識のための活動の発端はあった。続く人たちがさらに働いていけるように努めなくてはならない。

まるでリレーですね。

そういった発端の一つが、ヨハン・ウ゛ァレンティン・アンドレエの

「クリスティアン・ローゼンクロイツの化学の結婚」

「友愛団の名声」

「ばら十字の告白」といった著作たちであるとシュタイナーは述べます。

これらの著作は真実に従った社会秩序を築こうとする試みだったと。

シュタイナーは言う。こういう運動が存在したのだから、我々はますます力強く行動することができると。

その試みを成功させるカギの一つが、人生の真実(霊学)を深く知ることであると。

 

人類の年齢

シュタイナーは興味深いことを述べます。

個人は一年一年、歳をとります。人類全体は逆で、はじめ年をとっており、それからますます若くなっていくと。

どういうことかというと、人間の体の成長と魂、霊的な成長は並行しています、しかしある時点で魂的、霊的な成長過程は止まります。

古インド期の人間の、魂的、霊的成長は肉体が50歳になるまで止まりませんでした。

それから徐々に魂的、霊的成長の肉体と並行して成長する年齢が若くなっていきます。

こんにちの人間は、身体と結びついて自ずから生じる成長を二七歳で閉じなければなりません。その後の成長は、内なる魂の衝動を霊的に受け取り、内部からさらに先へ進んでいくのでなければならないのです。 42p

わかりやすくするために言い換えれば、いわゆる精神年齢が27歳までしか体と一緒に成長しないということでしょう。…こわいですね。

魂的に自ら内的に成長しようとしない人、霊的なものを需要しようとしない人は100歳になっても精神は27歳…みたいなことになりうるようです。

大切なのはこのことが私たちの中に、霊的な生活に向かおうとする衝動を生み出す、ということなのです。

私たちは自然がもはや与えてくれないものを、内から求めるのでなければなりません。   43p

 

以上、まとめでした。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?個人的にはシュタイナーは読んでいて大変面白いのですが…聞きなれない言葉がたくさん出てきて戸惑われた方も多いと思われます。私もそうです。しかし、それでも皆様と一緒に学んでいけたら、嬉しく思います♪

稚拙ながら皆様の理解の一助になれば幸いです。

ではまたどこかで。

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